遺言・相続

用意した遺言書をなくしたらどうすべき?書き直す場合の注意点は2つ

たとえ遺言書をなくしたとしても、コピーさえあればそれで代用できると思っていませんか? 実は、遺言書は原本でなければ法的な効力を持ちません。では遺言書をなくしてしまったら、どのように対処すればいいのでしょうか?

今日は遺言書をなくした場合の対処方法と、書き直すときの注意点をお伝えします。これから遺言書を用意する人も、既に作成し終わった人も、そして実際になくしてしまった人も、法的な効力のある遺言書を作りたい人は参考にしてみてください。

 

遺言書の原本をなくしたら対処方法は「書き直す」のみ

結論からお伝えしますと、もし遺言書をなくしてしまったら対処する方法としては「書き直す」しか選択肢はありません。

 

というのも冒頭でお伝えした通り、遺言書は原本でなければ法的な効力がないからです。仮に遺言書のコピーがあったとしても、原本でなければ法的な効力を持ちません。

 

もしコピーした遺言書が手元にあるなら、そのコピーを見ながら新しい遺言書を作り直すのが最も簡単な方法です。コピーがないときは、せっかくなのであらためて遺言内容を考えてみてはいかがでしょうか。

 

もちろん前に書いた内容を思い出しながら書くこともできますが、記憶に頼ろうとすると大切な部分が抜け落ちてしまうかもしれません。

 

反対に、遺言書を作成してから時間がたっているなら「遺言内容を見直す良い機会だ」と考えてみるのもよいでしょう。というのも遺言書は、仮に紛失しなかったとしても定期的に内容を見直す必要があるのです。

 

月日がたてば所有する資産や負債、人間関係などに変化があっても不思議ではありませんよね。だからこそ、遺言書には定期的な見直しが必要なのです。

 

そう考えると、たとえコピーが手元にあったとしても新たな気持ちで一から書き直してみるのは良いアイデアかもしれません。

 

ただし遺言書を書き直す場合には、いくつか注意しなければいけない点があります。

遺言書を書き直すときの注意点

遺言書を新たに書き直す場合の注意点は、次の2つです。

注意点1.日付の新しい遺言書が優先

遺言書は、日付の新しいものから順に優先となります。

 

つまり遺言書を書き直した後に古い遺言書が出てきたとしても、新しい遺言書がある限り古い遺言書の内容は優先されないということです。古い遺言の内容を優先させたい場合、書き直した遺言書を破棄することで新しい遺言を取り消せます(撤回)。

 

ただし先ほどもお伝えしたように、遺言書の内容は定期的に見直すのがオススメです。以前に書いた遺言の内容が今の気持ちに添っているか、じっくり考えてみましょう。

 

もし見直した後に古い方の遺言内容を撤回したくなったら、古い遺言書を破棄すれば大丈夫です(撤回できます)。

 

注意点2.内容に矛盾がなければ日付の古い遺言書も部分的に有効

2つ目の注意点は、内容に矛盾がなければ古い方の遺言内容も部分的に有効となることです。

 

新旧の2通がある場合、矛盾している部分については新しい日付の遺言内容が有効となります。ただし、矛盾していない部分に関しては古い日付の遺言内容も部分的に有効となるのです。

 

例えば、こんな遺言書があったとします。

 

旧)

●   全ての土地を○○に相続させる

●   全ての預貯金を□□に相続させる

 

新)

●   全ての預貯金を○○と□□に2分の1ずつ相続させる

 

この2通を比べると、矛盾しているのは「預貯金」の部分のみです。この場合、古い遺言書の「土地」に関する部分は矛盾がないため有効となります。

 

自分では完璧に書き直したつもりでも、他界後に古い遺言書が出てきてしまえば新しい遺言書の通りには相続してもらえません。そうなると、何のために遺言書を作ったのか分かりませんよね。

 

そこでポイントとなるのが、次の2つです。

ポイント1.過去に書いた遺言を「遺言書内」で撤回する

1つ目のポイントは、最新の遺言書に「この遺言より前に書いた遺言は全て撤回する」と記すこと。つまり、遺言によって遺言の撤回を行うのです。

 

なお遺言によって以前の遺言を撤回するときは、全部ではなく一部分だけの撤回もできます。

 

ただ日本語というものは、伝えたいことを伝えるのが非常に難しい言語です。そのため自分では上手に書いたつもりでも、思わぬ捉え方をされることがあります。

 

万が一にも勘違いをされないとは限りませんので、撤回したい部分があるなら全てを撤回して書き直すのが得策といえそうです。それでもどうしても部分的に撤回したいなら、書いた後に第三者もしくは専門家にチェックしてもらうとよいでしょう。

 

ポイント2.最新の遺言書が相続人の手に渡るよう準備をする

2つ目のポイントは、最新の遺言書が相続人の手に必ず渡るよう念入りに準備をすることです。

どんなに遺言書内で以前の遺言を撤回しても、新しい遺言書が相続人の手に渡らなければ遺言を撤回した事実は相続人に伝わりません。また、遺言に不利益さを感じた相続人が遺言書を破棄してしまったり、古い遺言書と最新の遺言書を差し替えてしまったりする恐れもあります。

最新の遺言書があることを全ての相続人にしっかりと伝えられるよう、遺言書を書き直す際は保管や通知の方法についてもあわせて考えてみてくださいね。

 

 

まとめ

今日は遺言書をなくした場合の対処方法と、書き直すときの注意点をお伝えしました。

単に遺言書を撤回する場合とは異なり、紛失した場合は後から古い遺言書が見つかる可能性もあるため重々注意しなければいけません。もしどうしても前に書いた遺言書が見つからないときは、ご紹介した注意点とポイントを押さえた上で書き直すよう心掛けてみてください。

 

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